愛は惜しみなく与う⑥

敦子ちゃんと昴さんの会話


「泣きたいよね。杏ちゃんは妹が大好きだったのに。その妹の仇を取ろうとしてたのに…その2人が組んで……更に、杏ちゃんの婚約者サトルなんやろ?やってられへんわ」


ぐすん
そう言い敦子ちゃんは泣き出してしまった

そ、うか

この人たちは、杏ちゃんが妹を大事にしてるのも、見てきてたんだね


「志木がくる前に、分かること全部話してくれへんか?俺らは…この状況がわかってるようで、混乱してるんだ。グチャグチャでもええから…話してくれ」


頼む

昴さんがそう言った


志木さんが来るまでの約2時間


俺たちは知ってる範囲で全て話した


杏ちゃんがこっちにきてからのこと
俺たちに出会って仲間になってくれた事
何かを抱えてて儚く脆い存在だったこと
そしてスコーピオンという言葉を知った事
家のことを話してくれたこと
俺たちみんなを暗闇から救ってくれたこと


全て話した

2時間なんかじゃ収まらないくらい、半年間過ごした杏ちゃんとの時間はとても濃い


そして、俺たちの知る

妹の事と、サトルと如月冬馬の話も