愛は惜しみなく与う⑥

その頃、杏様は高校1年生でしたが、その事件を知ってから、放課後の時間よりも早く高校を出て、鈴の中学に行き、鈴を守っていた


でも決して杏様は鈴に姿を見せない


『あたしが裏でこんなんしてるって知ったら、鈴も気ぃつかうやろ?それに、逆に狙われてるって思わせて、怖がらせてもあかんし』


杏様の優しさです

何も起こらない時もあれば、何か起こる時もあり…


それらを杏様は、特に気にすることもなく対処して、そしていつもの日常へ戻る。


それが杏様の日常でした


杏様は、何かしてあげてるという風には、1度も思ってもなかったでしょうね。

それが杏様にとって普通のことだったんです。強くなったんだから、大事な人を守れる。だから動く

ただそれだけ


だからこそ…
私はそんな杏様をずっとみていたから、鈴のちっぽけな嫉妬や僻みなんかで、杏様を傷つけることは許せないんですよ


助手席に乗せて車を運転する

私の借りてるホテルまで連れていくか、このまま車で話すか…どうしましょうね