愛は惜しみなく与う⑥


「はは…変わってねーな。よいしょ」


あたしを抱っこしたまま雄作さんは立ち上がる。なんなん。なんでみんな会いたい人が来てくれるん?
あたし死ぬん?なに?

でも嬉しい


そのまま東堂家から東堂組の敷地に、唯一行き来できる扉を潜り、あたしは久しぶりの我が家に帰ってきた

半年ぶり
半年か…もっと長いこと会えてなかったように思う



「「「「 嬢‼︎‼︎‼︎ 」」」」



そして懐かしい、ドスの効いた、みんなの声があたしを呼ぶ


「嬢!コアラみたいになってんじゃねーか!」

「組長がデカイ木やな!ガハハハ」


相変わらずガサツな話し方で、でもあの頃となにも変わらないみんながそこに居た


そして



「俺を置いていくなよ…」

数名の組員とともに、泉がやって来た




「おお!お前強いな。助かったよ。さっきまで二日酔いで寝てたからな」


雄作さんがそう言うと、泉は、俺は一睡もしてない!!そう怒っていた

えっと

仲良しなん?



「泉と雄作さん…友達やったん?」