「のーん」


……ほ、本当に来たよ、こいつは。


「弁当」

「……はい、どうぞ。」

「ありがとな」


早く行ってよ! 早く自分の教室に戻って!!
私が無視していると、「じゃあな」と言って教室から出て行った。

彼が教室内から出ていくと、女子たちが騒ぎ出した。

「何で、礼央くんのお弁当あんたが持って来てんの」

「何でって、礼央のお母さんに渡されたから……だけど」

「……何それ、礼央くんは私のものアピールでもしてんの」

いやいやいや、どこが! 
女子に睨まれるし、最悪なんだけど……。礼央のやつ絶対文句言ってやる。

その後すぐに、チャイムが鳴りホームルームが始まった。