「……いたわる?」 「ああ、そうだよ! もっと自分を大切にしろ!」 葵が俺の肩に手を当てていう。 「大切になんてできねぇよ。だってあいつらは、俺のせいで死……」 「お前のせいじゃねぇ! 楓が死んだのはお前の父親のせいだし、岳斗が死んだのは不慮の事故だ! あの女は見当違いも甚だしい! 怒りたいなら怒れ! 違うなら、違うってちゃんと言え!!」 葵は俺の肩を掴んだままの状態で、耳元で叫んだ。 「うっ、うっ……」 泣き崩れた俺を葵はぎゅっと抱きしめてくれた。