「仁?」
教室のある、階段の方へ仁は行ってしまう。病院一緒に行ってくれるって言ったのに。慌てて後を追う。
「俊……鈴音は」
階段に座っていた仁の隣に、俺は腰をおろす。
「結賀と伊織が宥めてると思う。仁、もしかしてあの子は」
「知らねぇよ、俺が母親に何されたかも、俺がなんで一人暮らししてるかも」
「誰も教えないのか」
「教えないし、本人も知ろうとしなかった。でも今更、気にしてる」
そういう子だからこそ、余計頭に来るのかもしれない。
「何もかも遅いんだよ」
妹は悪くないのかもしれない。いつの間にか嫌われていたって、思っているのかも。それでも面談に行きたがってないなんて、言うべきじゃない。無神経だ。
「もういなくなったか」
階段から仁は校門を見る。ふわふわと赤いリボンのついたツインテールが揺れている。
「帰る気、ないんじゃね」
「え、話さないとか……? 諦めろよ」
もういいやって帰る子なら逆によかったのかもしれない。それなら、仁に期待してない子だから。
「家族でいたいんだろ、仁と」
「求めてねぇ、今更四人暮らしとかしねぇし」
仁を見て、俺は頷く。
「しなくていい、仁が納得する方法で向き合えば」
「逃げ続けたらダメか」
俺は黙って下を向く。
仁は結局、夏休みの間は母親に会いに行かなかった。行こうって約束したのに。
仁が幸せなればいい、俺は。でもこのままでなれるのかな。
「……俺は義母さんに会いたいから、まだ連絡取ってる。仁は? 妹はもういらない?」
「いらねぇよ。でもいつか、俺の方が幸せだ。ざまぁみろ!って言ってやりたい」
愛されてる子より幸せだったか。確かに、俺も露麻に言いたい。
教室のある、階段の方へ仁は行ってしまう。病院一緒に行ってくれるって言ったのに。慌てて後を追う。
「俊……鈴音は」
階段に座っていた仁の隣に、俺は腰をおろす。
「結賀と伊織が宥めてると思う。仁、もしかしてあの子は」
「知らねぇよ、俺が母親に何されたかも、俺がなんで一人暮らししてるかも」
「誰も教えないのか」
「教えないし、本人も知ろうとしなかった。でも今更、気にしてる」
そういう子だからこそ、余計頭に来るのかもしれない。
「何もかも遅いんだよ」
妹は悪くないのかもしれない。いつの間にか嫌われていたって、思っているのかも。それでも面談に行きたがってないなんて、言うべきじゃない。無神経だ。
「もういなくなったか」
階段から仁は校門を見る。ふわふわと赤いリボンのついたツインテールが揺れている。
「帰る気、ないんじゃね」
「え、話さないとか……? 諦めろよ」
もういいやって帰る子なら逆によかったのかもしれない。それなら、仁に期待してない子だから。
「家族でいたいんだろ、仁と」
「求めてねぇ、今更四人暮らしとかしねぇし」
仁を見て、俺は頷く。
「しなくていい、仁が納得する方法で向き合えば」
「逃げ続けたらダメか」
俺は黙って下を向く。
仁は結局、夏休みの間は母親に会いに行かなかった。行こうって約束したのに。
仁が幸せなればいい、俺は。でもこのままでなれるのかな。
「……俺は義母さんに会いたいから、まだ連絡取ってる。仁は? 妹はもういらない?」
「いらねぇよ。でもいつか、俺の方が幸せだ。ざまぁみろ!って言ってやりたい」
愛されてる子より幸せだったか。確かに、俺も露麻に言いたい。



