一匹狼くん、 拾いました。弐

「……君ら付き合えば??」

「あのなぁ緋也、仁は」

「ミカが好きだったんでしょ? でもミカはノーマルだから、君が仁を落とそうとしてる」

 だったんでしょ?

「ゴホッ、ゴホゴホ!!」

 仁がむせた。

「仁、大丈夫?」

 背中をさすると、仁はすぐに首を振った。

「ああ、平気。ありがと。……緋也、お前まさか気づいてたのか?」

「うん。何ヶ月か前に、君が僕の胸グラ掴んできた時に気づいたよ」

「は? 嘘……気づいてなかったのミカだけかよ」

 仁が頭を抱えながらつぶやく。

「ごめん」

「いやミカ、謝んなくていいから。真面目すぎ」

 結賀はすぐに首を振った。

「てかミカ、三ヶ月前は生きてる余裕あんまなかったでしょ。それで気づくの多分無理だと思うよ?」

「……あ、そっか」

 緋也の言葉を聞いて、俺は頷いた。

「うん。だからいいんだよ、気にしなくて」

「お待たせしましたー」

 店員がそんなことを言って、かき氷をお盆にのせて運んできた。

「でかくない?」

 丸い皿の上に、十センチ以上のかき氷があった。

「ミカ食い切れる?」

 仁が首を傾げた。

「わかんない」

「そっか。でも高校生は、これくらい食べられないとだからな。じゃないといつまでも細いまんま」

 笑いながら結賀は言う。

 葵も言いそうな言葉だな。

「……頑張る」

 俺はすぐにかき氷を食べた。