一匹狼くん、 拾いました。弐

「ありがとう結賀」

「いーえ。じゃあ貰いに行くか」

「うん」

 列に並んで、キャンドルを一人一つずつもらった。

 キャンドルの配布場所のすぐ側にはふたつの分かれ道があった。分かれ道のちょうど境目のところに、歩き方が書かれた紙が置いてある。

 どちらも行き止まりになっているから、二つの場所を回ったらキャンドルを返しにくればいいらしい。

 確かにこれなら迷路よりよっぽど単純だ。

「さてミカ、神社見に行く? それとも違うの見に行くか?」

「え?」

 どういうことだ? 洞窟から出たあとの話をしているのか?

「アホ、何も伝わってないから。……えっとミカ、左に行ったら神社の発祥の場所が見れて、右に行ったら石像が見れるんだけど、どっち先に見たい?」

 結賀の頭を軽く叩いてから、仁は首を傾げる。

「……神社」

「了解、じゃあ左な」

 仁の言葉を聞いて頷きあってから、みんなで左に向かった。

 天井が低いからしゃがんで歩いていたら、壁際に四角い石がならんでいるのが見えた。マークのようなものが掘られている。

 どうやら宝篋印塔塔身という名前の石らしい。

「ほうきょう? 読めな……昔の漢字って難しい」

「だよなー。仁は? 読めた?」

 俺の言葉に賛同してから、結賀は首を傾げる。

「いやさすがに無理」

「緋也は?」

「僕も無理〜」

 緋也の言葉に笑いながら、奥へと進んでいく。

 神社の発祥の場所に着いた。柵の奥に獅子舞が二つ建っていて、祠が一つ建っている。

「……初めて見た」

 俺はつい声を上げた。

 シルバニアファミリーの家くらいのサイズの祠だ。

 獅子舞はライオンだから、石像だけどきちんとたてがみがあった。あと目も口も笑っていない。不機嫌そうな神様だ。もしかしたらお堅い性格なのかもしれない。

「手合わせる?」

「まぁここも合わせてもいいけど、するなら外の方の神社だな。写真は撮ろうぜ」

 神社の発祥の地をバックに四人で写真を撮った。

 右側に行って寝姿も見ると、俺達はすぐにキャンドルを返した。出口が見えてきた。


「あれ、もう一個ある!!」


 出口の先にある橋を渡っていたら、目の前に洞窟が見えた。

 洞窟の前には、第二岩屋と書かれた看板があった。

「ふ。おいミカ、テンション高いのはいいけど転ぶなよ」

「確かに。怪我したら元も子もないからな」

 緋也と一緒に前を歩いていたら、ま後ろにいる結賀から視線を感じた。仁が少し心配そうに声をかけてくる。

「うん、大丈夫」

 足を止めて頷くと、俺は後ろを見て笑った。

「ふ。今日は機嫌いいな。楽しい?」

「うん、楽しい!!」

 結賀が俺の隣に来て、肩を小突いた。もう片方の肩を仁が小突いてきて、緋也がミカの隣取られたーと言って、不満げに頬を膨らませる。

 俺は笑いながら、前に進んだ。