一匹狼くん、 拾いました。弐


「うん。ありがとう仁、結賀。緋也もありがとう」

「「おう」」
「ミカが元気になってよかったよ」

 俺が礼を言うと、三人は笑って頷いた。仁と結賀の声が揃っていた。

 マシュマロはチョコ味とプレーン味とイチゴ味があった。

 結賀や仁がマシュマロを割り箸に刺したので、俺は二人の真似をした。コンロの火でマシュマロを焦げ目が着くまで炙る。

 とうもろこしを食べた時みたいに熱さに驚くことになるのが怖かったから、息をかけて冷ましてから口に入れた。

 カリカリしたところと、液体みたいにとろとろしているところがあった。焼いたのを食べるのなんて初めてだったから、俺はつい無言で、夢中で食べてしまった。

「美味かった?」

 マシュマロを食べ終わった俺を見て、仁は言った。

「うん、美味しい!!」

 久しぶりに大きな声が出た。

「はは。ならよかった」

 驚いたように目を見開いてから、仁は笑った。声の大きさにびっくりしたのかもしれない。

 バーベキューを終えると、俺達はみんなで片付けをしてから、緋也の別荘に行った。

 父さんと母さんは俺と結賀と仁を別荘まで送ったあとは、そのそばで二人で話をしていた。……俺の話だろうか。

「父さん、母さん」

『送ってくれてありがとう、また明日会いに行くね』と言おうと思って、二人に声をかける。

「ミカ」

 父さんが俺の髪を触ってフードを取った。

「な、何?」

 急な行動に驚いて、震えた声が漏れた。

「近いうちにどこか遠いところに行こうか、ミカと蘭と俺の三人で。三人が嫌なら、仁くんや結賀くんや緋也くんも連れてどこかに行こう」

「え、それって……家族旅行?」

「ああ、そうだ。嫌か?」

「う、ううん。俺も行きたい」

 首を振って勢いよく頷く。家族旅行なんて義親としたこともないから、すごく楽しみだ。

「そうか、それなら良かった。それじゃあ行き先はまた明日決めよう。おやすみ」

 俺の額にキスをして、父さんは笑った。

「わ、父さん」

「おやすみ、俊平」

 父さんの真似をして、母さんまでキスをしてきた。額じゃなくて頬だったけど。

 親にキスをされたことなんてなかったから、涙腺が緩んで泣きそうになった。嬉しくて胸が暖かくなる。

「おやすみ、父さん母さん!!」

 大きな声でそう言ってから、俺は仁達のいるところに戻った。仁は別荘の入口前にいた。