一匹狼くん、 拾いました。弐


「ミカはやっぱりまだ大勢で仲良くするのは怖いか?」

 言葉に詰まった俺を見兼ねて、仁は言う。

「……うん。俺の幸せは壊れるのが当たり前だったから。少人数ならまだしも、大人数で仲良くしたらまた壊れた時に立ち直れなくなりそうで怖い」

「俺達はいなくならねぇよ?」

 優しい声色で、結賀は言う。

「うん、わかってる。でも俺はたぶん、いなくならない確信がないとメンバーにはなれないと思う。ご……え?」

 謝ろうとしたら、仁が俺の額に手を近づけてデコピンをしようとしてきた。

「ミカ、謝ることじゃない。わかった?」

「うん、ありがとう」

 俺が頷くと、仁は満足そうに笑った。

「とうもろこし食べたい人〜!!」

 お肉を食べていたら、母さんがそんなことを言って、とうもろこしが置かれた皿とマシュマロの入った袋を海の家から持ってきた。

 十個くらいあるとうもろこしは、それぞれ一つ割り箸が刺さっていた。

「はい!ミカも食べるだろ?」

 仁が手を上げてから、俺に確認をする。

「うん、食べたい」

「じゃあ可愛くて素直な俊平には二本あげる」

「え、ありがとう母さん!!」

 結賀と緋也も手を上げたので、俺達は四人でコンロを囲んで、とうもろこしを焼くことになった。

「わわ、焦げてく。俺、こういうの初めて見た」

 薄い黄色の色をしたとうもろこしの色が濃くなって、焦げ目が着きはじめる。焼いたことがなかったから、俺はつい声を上げた。これってどれくらい焼くのがちょうどいいんだろう。

「ミカ、もういいぞ」

 何分か経ったところで、仁が笑ってそう言ってくれた。恐る恐る口を近づけて、とうもろこしを食べてみる。

「あっつ!!」

 焼きたてだからつい声が漏れた。甘さが口いっぱいに広がって、思わず笑みが零れる。

「笑えたなミカ」

 仁が俺を見て笑う。

「うん、ありがとう」

「アハハ。ミカ、頬にコーンついてる」

 とうもろこしを食べ終わると、結賀は俺を見て可笑しそうに笑った。

「え? 本当に?」

「ホント」

 結賀はティッシュで、俺の頬を拭いてくれた。

「はい、とれた」

「ありがと」

「マシュマロも食うか」

 台拭きをテーブルに置いてから結賀は呟く。

「うん、食べたい!!」

 マシュマロの袋を開けている結賀を見て、俺は言った。

「お、元気になってきたじゃん」

 俺を見て、結賀は嬉しそうに口角を上げて笑った。