下半身を誰かに撫でられたような感触がして、気持ち悪くて、目を覚ます。
「うっ」
俺は両腕を紐で縛られた状態で、半裸で画材部屋に寝っ転がっていた。
……気絶するまでいたぶられたのか。おしおきというか、コレ拷問だろもう。
体についてた紙とテープはとられたみたいだ。
「いっ!」
足を動かそうとすると、ズボンの中にある二本の筆が揺れた。
片方の毛先が柔らかくて、もう片方の毛先が硬いから、左右で感触が違う。
固い方は針を刺されたみたいに痛くて、耐えるのも苦労する。
柔らかい方は、足を動かすと毛先がふわっと広がったような感触がした。
「んあっ、あ……」
こんな異物を下半身に入れられて、声を上げたくなんかないのに、昨日の夜から散々やられてしまったから、声を耐えるのも無理で。
ズボンと下着が濡れているから、手足を動かさなくても、筆がズボンの中で滑って、いやでも感じて、自己嫌悪に襲われる。
「うっ!」
ドアが開いたと思ったら、腹を勢いよく蹴られた。
「俊平、ズボン、びしょびしょだぞ。お漏らしでもしたのか?」
「うっ、うるさい……あっ」
腹の上にのられて、ズボンの中に手を入れられる。筆を二本同時に動かされて、感じたくないのに、いやでも感じて、体が無駄に反応する。
「うっ。はっ、はあっ……とっ、父さん」
「ん、どうした?」
「こ、これ、いつまで続けんの。……もう朝なんだけど」
「そうだな。お前が一時間くらいで気絶したから、もう朝だな。まぁ、まだ朝の五時だけどな」
「はぁっ、はぁ。もう、体重は落ちただろ」
「ああ、体重は落ちたな」
「うっ。いっ!……なら、な、なんで」
父さんが筆を持ってない方の手で、俺の太ももをつねったり、叩いたりする。
「……だって、お前に教えこまなきゃいけないだろ。甘いものを食べることが、どんなにいけないことなのかを」
「……も、もう、わかったから……んっ!? んんんっ!!」
口の中に自分の指を入れられて、唾液で濡れた手を、ズボンの中に入れられる。
太ももに唾液をつけられて、濡れた肌を、筆でくすぐられる。
気持ち悪いのに、少しだけ気持ちよくて。くすぐったくて、吐き気を催す。



