一匹狼くん、 拾いました。弐


 下半身を誰かに撫でられたような感触がして、気持ち悪くて、目を覚ます。

「うっ」

 俺は両腕を紐で縛られた状態で、半裸で画材部屋に寝っ転がっていた。

 ……気絶するまでいたぶられたのか。おしおきというか、コレ拷問だろもう。

 体についてた紙とテープはとられたみたいだ。

「いっ!」

 足を動かそうとすると、ズボンの中にある二本の筆が揺れた。

 片方の毛先が柔らかくて、もう片方の毛先が硬いから、左右で感触が違う。

 固い方は針を刺されたみたいに痛くて、耐えるのも苦労する。

 柔らかい方は、足を動かすと毛先がふわっと広がったような感触がした。

「んあっ、あ……」

 こんな異物を下半身に入れられて、声を上げたくなんかないのに、昨日の夜から散々やられてしまったから、声を耐えるのも無理で。

 ズボンと下着が濡れているから、手足を動かさなくても、筆がズボンの中で滑って、いやでも感じて、自己嫌悪に襲われる。

「うっ!」

 ドアが開いたと思ったら、腹を勢いよく蹴られた。

「俊平、ズボン、びしょびしょだぞ。お漏らしでもしたのか?」

「うっ、うるさい……あっ」

 腹の上にのられて、ズボンの中に手を入れられる。筆を二本同時に動かされて、感じたくないのに、いやでも感じて、体が無駄に反応する。

「うっ。はっ、はあっ……とっ、父さん」

「ん、どうした?」

「こ、これ、いつまで続けんの。……もう朝なんだけど」

「そうだな。お前が一時間くらいで気絶したから、もう朝だな。まぁ、まだ朝の五時だけどな」

「はぁっ、はぁ。もう、体重は落ちただろ」

「ああ、体重は落ちたな」

「うっ。いっ!……なら、な、なんで」

 父さんが筆を持ってない方の手で、俺の太ももをつねったり、叩いたりする。

「……だって、お前に教えこまなきゃいけないだろ。甘いものを食べることが、どんなにいけないことなのかを」

「……も、もう、わかったから……んっ!? んんんっ!!」

 口の中に自分の指を入れられて、唾液で濡れた手を、ズボンの中に入れられる。

 太ももに唾液をつけられて、濡れた肌を、筆でくすぐられる。

 気持ち悪いのに、少しだけ気持ちよくて。くすぐったくて、吐き気を催す。