一匹狼くん、 拾いました。弐


「あ、んんっ!!!」

 胸から筆が離れたと思ったから、今度は脇の下を筆でくすぐられた。

「次はどこがいいですか、俊平様」

 俺の口から手を離して、露麻は笑う。

「はぁっ。お、俺は、お前らの玩具なんかじゃ……あっ!!」

 露麻が俺の耳の中に筆を入れて、弧を描くように、筆を動かす。

「あっ、やっ……やめろ」

「顔、真っ赤ですよ」

「いっ!! とっ、父さん」

 胸に針で刺されたかのような衝撃が走って、思わず悲鳴をあげる。

 父さんが毛先が固まった筆で、俺の胸を勢いよく押した。

 さっき腹に置かれたのとは違う筆だ。

 毛先が固まっているから、肌に当たる度に、すごくチクチクする。

「と、父さん……こんなの、俺が女だったら」

「ん? 俺が捕まるって言いたいのか? 残念。お前は男だし、母さんは今は料理をしている。お前を助けるやつなんて居ねぇよ、バカ」

 俺の髪の毛を引っ張って、父さんは笑う。


「こらこら、俊平様。また、旦那様の方に意識が向いてますよ?」

「んっ!!」

 耳の中に指を入れられて、紙とセロテープの下にある鎖骨を筆で直接、くすぐられる。

「はっ、ろっ、露麻……んっ!!」

 筆が鎖骨の下に移動する。胸の上に文字を書くみたいに、筆でそうっと、肌を撫でられる。

 触り方が嫌らしい。

 悪寒がして、全身のあらゆるところから、冷や汗が噴き出す。

「いっ! やっ。そこは……や、やめろ」

 胸の真ん中の出っ張りを引っ張られて、もう片方の手で、出っ張りの先を、筆でつつかれる。

「次はどこがいいですか? ……そろそろ、下もやりましょうか?」

「なっ、やめろっ!」

 腕を振り乱して抵抗したら、片手で手を一纏めにして掴まれた。

 下着の中に筆を入れられる。

「やっ、やだ」

 冷や汗が頬を伝う。嫌すぎて、怖すぎて、涙が出てきた。

 露麻が筆をつんつんと、上下、左右に動かす。

「はっ、はぁ。ろ、露麻……うっ、うぅ」

 父親と、その執事にいたぶられてこんな高い声を上げて感じているなんて、嫌すぎるにもほどがある。

「どうしました、俊平様」

 筆を動かしながら、露麻は笑う。

「も、もう、やめ……あああっ!!!」

 父さんが毛先が固まった筆を俺の下着に突っ込んで、歯を出して悪魔のように笑った。

 ……死ぬ。