「俊平、服を脱げ」
髪の毛から手が離れたと思ったら、今度は耳元でそんなことを囁かれる。
「は、何、いってんの?」
「……カロリー消費させてやるて言ってんだよ。いいから早く服を脱げ。上だけでいいから」
「やっ、やだ」
「ああ? 俊平、お前、自分の立場わかってないのか? いいか、お前が約束を破ったんだよ。『毎日俺の指示通りの食事をしろ』っていってるだろ。
それを破ったのはお前なんだよ。拒否はなしだ。脱がないって言うなら、俺が無理やり脱がせるぞ」
制服のネクタイを引っ張られて、足を踏まれる。
「……ぬ、脱ぐから……ドアと、カーテン、閉めて」
でないと丸見えだ。
「言う通りにする気があるなら、最初からそうしろ」
俺のネクタイから手を離すと、父さんは部屋のドアと、カーテンを閉めた。
上だけ服を脱いで、脱いだ服を床に置いた。
「……何すんだよ」
「お前をパレット代わりにしようと思ってな」
パレットって、まさか絵の具のパレットか?
父さんは俺の腕と腹の上に真っ白な紙を置くと、肌と紙を、セロハンテープでくっつけた。
「とっ、父さん、こんなの嫌だ」
「だから、口答えするな。お前が悪いんだろうが」
「旦那様、ドアを開けていいですか?」
露麻が部屋のドアをノックする。
「ああ、構わない」
「はい。アハハ。今日のお仕置は一段と酷いですね」
露麻は部屋に入ると、俺の格好を見て声を上げて笑った。
「露麻、これ」
父さんが露麻に、筆を一つ渡す。
「これを使って、なにをするんですか?」
「それでそこの不良品の体、好きにいじれ」
「かしこまりました。では手始めに」
「んっ!!」
片手で口を塞がれて、胸の辺りを、筆でくすぐられる。
「反応が良いところを探しますか?」
「ああ、その方がいい」
そう言うと、父さんはキャンバスボードをイーゼルに立てて、絵を描き始めた。
「っ!」
父さんが俺の腹の上の紙に黒の絵の具を出して、筆の束の中から、太い筆をとる。
絵の具を筆で広げたり、筆に水をつけてから、また紙の上に筆を置いたりして、父さんは俺の身体をもてあそぶ。
「俊平様、ダメですよ。旦那様にばかり気を取られては」
「んうっ!」
露麻が筆の先で、俺の胸を押す。



