一匹狼くん、 拾いました。弐


 朝になるのが怖かった。明日は露麻に、親父に何をされるんだろうって思って、ずっと脅えながら、寝れない夜を過ごした。

 いつだって睡眠は浅いのに、時間通りに、目指しの設定通りに起きなきゃ、露麻に暴力を振るわれた。

 そして親父は、露麻のせいで傷だらけになった俺を見て鼻で笑って、露麻を実の子供のように可愛がった。

 頭を撫でて、服を買ってあげて、お金をあげて。露麻を正しく愛した。息子として引き取ったハズの俺を愛さないで。

 いや、息子としてじゃないか。……絵のモデルとして、商品としてか。酷すぎて泣けてくるな。

 まぁもう、泣かないけど。あのクソ親父のことを想って涙なんか流さない。流してやるもんか、一生。

「ねぇ父さん、父さんにとって俺は、何?」

「そうだな、お前はどんな言葉で言い表しても足りないくらい大事で、世界で一番愛してる子かな」

 父さんの背中に、勢いよく抱きつく。

「あ、ありがとう」

「おっと。はは、ミカは小さい子みたいなことをするなぁ」

「嫌だ? めんどくさい?」

 父さんに嫌われるのが嫌で、つい聞いた。

「いや全然。むしろ嬉しいよ、甘えてもらえて」

 俺は何も言わず、さらに強い力で抱きついた。

「後で蘭に自慢しないとな、ミカがハグしてくれたって」

「アハハ、なんだよそれ!」

 泣きながら笑う。……父さんと母さんと暮らしたら、いつもこんな風に笑えるんだろうか。

 暮らしてみたいな、二人と。義母さんのことは、まだどうすればいいのかわかんないけど。