朝になるのが怖かった。明日は露麻に、親父に何をされるんだろうって思って、ずっと脅えながら、寝れない夜を過ごした。
いつだって睡眠は浅いのに、時間通りに、目指しの設定通りに起きなきゃ、露麻に暴力を振るわれた。
そして親父は、露麻のせいで傷だらけになった俺を見て鼻で笑って、露麻を実の子供のように可愛がった。
頭を撫でて、服を買ってあげて、お金をあげて。露麻を正しく愛した。息子として引き取ったハズの俺を愛さないで。
いや、息子としてじゃないか。……絵のモデルとして、商品としてか。酷すぎて泣けてくるな。
まぁもう、泣かないけど。あのクソ親父のことを想って涙なんか流さない。流してやるもんか、一生。
「ねぇ父さん、父さんにとって俺は、何?」
「そうだな、お前はどんな言葉で言い表しても足りないくらい大事で、世界で一番愛してる子かな」
父さんの背中に、勢いよく抱きつく。
「あ、ありがとう」
「おっと。はは、ミカは小さい子みたいなことをするなぁ」
「嫌だ? めんどくさい?」
父さんに嫌われるのが嫌で、つい聞いた。
「いや全然。むしろ嬉しいよ、甘えてもらえて」
俺は何も言わず、さらに強い力で抱きついた。
「後で蘭に自慢しないとな、ミカがハグしてくれたって」
「アハハ、なんだよそれ!」
泣きながら笑う。……父さんと母さんと暮らしたら、いつもこんな風に笑えるんだろうか。
暮らしてみたいな、二人と。義母さんのことは、まだどうすればいいのかわかんないけど。



