「……ミカ、好きだ」
仁が俺を抱きしめて、耳元で囁く。
「え」
「愛してる。ミカがあのクソ親の愛を求めてるのと同じように、俺は、ミカの全てを求めてる。俺は、ミカが欲しくてたまらない」
仁が俺を愛してる?
「は? なんで急にそんなこと」
急な話の変わりように驚いて、目を瞠る。
「なぁミカ、俺じゃダメか? 俺じゃああのクソ親の代わりにならないか?」
「……ごめん。俺は確かに仁をとても大切に想ってるけど、仁を母親の代わりにはできない。仁は、誰の代わりにもできない。仁は俺にとって、どんな言葉で言い表しても足りないくらい大切な人だから」
涙を拭いながら、しっかりと仁の目を見すえる。
母親の代わりなんてとんでもない。母親の代わりにするのなんてもったいないくらい仁はいい奴だし。
「……そう、だよな。ごめんな、変なこと言って」
「ううん。俺、仁に告白されて、凄く嬉しかった。本当にありがとう」
「……っ。ミカ、ごめん」
そう言うと、仁は俺の髪を撫で付け、俺の額に、前髪越しにキスを落とした。
仁が片手を俺の額のそばにやっていたから、周りからはキスをしてるのがよく見えなかったかもしれないけれど、確かにされた。



