きっと、月が綺麗な夜に。



海までのかけっこ、そして海での撮影を終え、子供たちは少し遅いお昼ご飯が食べられる時間で解散となった。


僕と美矢、優にケンゴとケンゴの師匠さん、そして千明と貴人姉弟だけが海に残り、りょーちゃんが軽トラに乗って持ってきてくれたお弁当を食べてしばしの休憩をする。


「さっき撮れた映像のここをこのシーンに入れて……」

「色味はこういうイメージで加工して」

「……成程。そことここの切れ間にで猫ちゃんを撮ってこうするんだ」


クリエイター班は、食べやすいようにとりょーちゃんが作ったサンドイッチを片手に、今も撮った映像を確認しては編集の作業の手を止めない。


「ご飯くらいゆっくり食べればいいのに」なんて呟いた美矢は、美矢特別フルコースのお重での弁当を美味しそうに頬張り、目をきゅう、と細める。


「前から思っていたんだけど、美矢ちゃんのどこにその量が入るの?体型維持は何してるの?」

「んー?どこだろうね。体型維持とかも考えたことないし。それに千明はそんなこと考えなくて良いと思うよ。あたしと違って手足も長いしすらっとしてる。綺麗なお姉さんになりそう」


こちらで一緒に食事を摂っていた千明は美矢の身体の神秘に興味津々で、貴人は食事もそこそこ、砂浜を掘り起こして遊んでいる。