そんな思春期の普通な男の子のケンゴだけれど、撮影になると目付きが変わる。


カメラを向けられて最初こそ気にしていた子供たち。

しかしケンゴが撮りたかったのは自然豊かなこの島で、子供たちが子供たち同士楽しそうに遊び、走り回る光の世界だ。

そんな子供たちがカメラを意識しないよう、カメラを右手にテーピングで固定し、自ら子供たちの鬼となり駆け回ったり、砂場で大きな城作りを手伝う。


「あの子、向いてるよ。作品作り」

「でしょ?凄いんだ、うちの子は」


そんなケンゴの姿に優も関心し、うんうん、と頷く。

僕はまるで自分の子供を褒められたような気持ちになり嬉しくなる。僕の教え子なんだ。どうだ、凄いだろってね。