それから優の手厳しい指導の元、何テイクか音取りを行い、それが終わったら休憩がてら仮音の優の下手くそなコーラスのハミングを30分で覚え、コーラス撮りを行って行く。
「おいおい、歌まで上手いとか聞いてないんだけど。とらちゃん大学の時歌下手だからカラオケはちょっととかうだうだ言って歌ったこと無かったくせに」
「僕にも色々あって。ごめんね」
「あーあ、誰がこんな色男に変えたかねー。もうさー、先生なんか辞めてボクと働こうよ。とらちゃん音楽向いてるよー」
レコーディングブースの繋がれたマイクからボヤキのような言葉の雨を降らしてくる優に思わず苦笑い。
「これ撮り終わったらボクがミキシングやってる後ろでとらちゃんBGM係決定だね」
「え、まだ歌うの?もう良いでしょ」
「良くない。報酬無しでボクのこと働かせてるんだから満足するまで歌わせてやる!7年も騙されたんだから」
良く喋る優とたまに会話をしながら和やかに進む作業に、さっきまでのピリピリとした痛みが和らいでゆく。
僕の声が、音が、美矢や、誰かの心をくすぐって、僕がもたらされた光をおすそ分け出来たらいいな。
「おいおい、歌まで上手いとか聞いてないんだけど。とらちゃん大学の時歌下手だからカラオケはちょっととかうだうだ言って歌ったこと無かったくせに」
「僕にも色々あって。ごめんね」
「あーあ、誰がこんな色男に変えたかねー。もうさー、先生なんか辞めてボクと働こうよ。とらちゃん音楽向いてるよー」
レコーディングブースの繋がれたマイクからボヤキのような言葉の雨を降らしてくる優に思わず苦笑い。
「これ撮り終わったらボクがミキシングやってる後ろでとらちゃんBGM係決定だね」
「え、まだ歌うの?もう良いでしょ」
「良くない。報酬無しでボクのこと働かせてるんだから満足するまで歌わせてやる!7年も騙されたんだから」
良く喋る優とたまに会話をしながら和やかに進む作業に、さっきまでのピリピリとした痛みが和らいでゆく。
僕の声が、音が、美矢や、誰かの心をくすぐって、僕がもたらされた光をおすそ分け出来たらいいな。


