30分の短い旅を経て、本土の地へ足を踏み入れると、美矢は大きく息を吸い、勢いよく顔を上げた。
そのタイミングを見計らったかのように、風が大きく吹いて、美矢が被っていたキャメル色のリブのキャップが攫われて行く。
「ちょっともう、せっかくやっとおろせるシーズンが来て被ったのに、汚れちゃう」
急いで追いかけた先、先に拾った黄色味がかった白い肌の腕の持ち主の前で、美矢は急ブレーキして立ち止まった。
白に近いくらいに色抜いたホワイトアッシュのボブに、紫色のインナーカラーを交えて風に身を任せた大きな生意気そうな奥2重のそいつは、にぃと、やはり生意気そうに微笑む。
「ようとらちゃん!最後に会ったのは3ヶ月前くらい?はじめまして、可愛い猫ちゃん!」
美矢より10センチは背が高いその派手な風貌のそいつは、美矢に帽子を被せて僕に高い鼻声で呼びかけた。
大学時代から何も変わらない、口を開けば「髪の毛白くしたい」と言っていたそいつは、スラリと細いその腕で僕の肩を挨拶代わりにバシバシと叩く。
「迎え、ありがとう。すぐる、元気にしてた?」
「いやー、元気元気。腸閉塞で退院したばっかりで逆に体もスッキリさ!」
こいつ、橋本優は、心は鋼のメンタルなのに、偏食のあまり腸閉塞を起こすところまで変わっていないらしい。
そのタイミングを見計らったかのように、風が大きく吹いて、美矢が被っていたキャメル色のリブのキャップが攫われて行く。
「ちょっともう、せっかくやっとおろせるシーズンが来て被ったのに、汚れちゃう」
急いで追いかけた先、先に拾った黄色味がかった白い肌の腕の持ち主の前で、美矢は急ブレーキして立ち止まった。
白に近いくらいに色抜いたホワイトアッシュのボブに、紫色のインナーカラーを交えて風に身を任せた大きな生意気そうな奥2重のそいつは、にぃと、やはり生意気そうに微笑む。
「ようとらちゃん!最後に会ったのは3ヶ月前くらい?はじめまして、可愛い猫ちゃん!」
美矢より10センチは背が高いその派手な風貌のそいつは、美矢に帽子を被せて僕に高い鼻声で呼びかけた。
大学時代から何も変わらない、口を開けば「髪の毛白くしたい」と言っていたそいつは、スラリと細いその腕で僕の肩を挨拶代わりにバシバシと叩く。
「迎え、ありがとう。すぐる、元気にしてた?」
「いやー、元気元気。腸閉塞で退院したばっかりで逆に体もスッキリさ!」
こいつ、橋本優は、心は鋼のメンタルなのに、偏食のあまり腸閉塞を起こすところまで変わっていないらしい。


