本土に向かう船では、珍しく歌を歌わないで真剣にメモ紙と向かい合う美矢の姿が。
「ベンキョは、受験の時までは頑張ってやったけど基本キライだったから、こういう時ちゃんとやっとけば良かったって思う」
作詞が苦手だと言っていたが、勉強うんぬんだけじゃなくて、多分幼い頃の仕打ちの為に言葉をあまり多く知らないせいとか、そもそもの美矢の口下手な性格とかもあるとは思うんだけど。
「大丈夫。奴、趣味でずっと音声ソフトだけで曲作って出てて、それが今はアニメとかの主題歌提供するような仕事に繋がってるレベルの人だから、多分手伝ってくれるよ」
「とらは手伝ってくれない?センセーなんだから、語彙力あるでしょ?」
「まあ、手伝える範囲でね。それより君、びっくりするくらい字丸いんだね」
メモ帳に書き殴られた、詞と呼ぶにはあまりにも乱雑なその単語たちは、乱雑なくせに美矢の手みたいにやわっこい文字のせいで妙に優しく写ってしまう。
「うるさい、とらのばか、嫌い……嫌い、は嘘だけど」
困ると「ばか」と「嫌い」をすぐに言ってしまうのも、口をへの字にするのも、嫌いをすぐ訂正してしまうのも可愛く感じてしまう。
やはり、人間関係は惚れた方の負け、なのだろう。
「ベンキョは、受験の時までは頑張ってやったけど基本キライだったから、こういう時ちゃんとやっとけば良かったって思う」
作詞が苦手だと言っていたが、勉強うんぬんだけじゃなくて、多分幼い頃の仕打ちの為に言葉をあまり多く知らないせいとか、そもそもの美矢の口下手な性格とかもあるとは思うんだけど。
「大丈夫。奴、趣味でずっと音声ソフトだけで曲作って出てて、それが今はアニメとかの主題歌提供するような仕事に繋がってるレベルの人だから、多分手伝ってくれるよ」
「とらは手伝ってくれない?センセーなんだから、語彙力あるでしょ?」
「まあ、手伝える範囲でね。それより君、びっくりするくらい字丸いんだね」
メモ帳に書き殴られた、詞と呼ぶにはあまりにも乱雑なその単語たちは、乱雑なくせに美矢の手みたいにやわっこい文字のせいで妙に優しく写ってしまう。
「うるさい、とらのばか、嫌い……嫌い、は嘘だけど」
困ると「ばか」と「嫌い」をすぐに言ってしまうのも、口をへの字にするのも、嫌いをすぐ訂正してしまうのも可愛く感じてしまう。
やはり、人間関係は惚れた方の負け、なのだろう。


