本当にそれを実行するのであれば、形にする為に能力のある人の力が必要だ。
そのために僕に協力出来ること、少しばかり心当たりがある。
「……僕の大学時代の友人に、曲を作って生活している奴がいる。今でも連絡を取り合っていて年に数回会うくらいには仲も良好だ。相談してみる?」
俯いた頭が勢い良く顔を上げる。
最初は下手したら苦手かもしれない、と思うくらいまん丸のビー玉みたいな瞳は、幼い頃母が唯一僕に与えたビー玉なんかより、遥かに美しかった。
美矢はその勢いのまま、僕の首に腕を回して強く抱き着いてくる。
その勢いを受け止めきれずに雪崩込むように床に倒れても、美矢は僕に抱き着く力を緩めなかった。
「とらがいるから頑張れる。ありがとう」
まるで愛の言葉のようやその甘やかな言葉に、体温は上昇して、真夏のあの日、美矢を拾った日よりもずっとずっと暑い。
答えを返すように美矢の柔らかな身体をもう一度僕も強く抱き締めた。
庭でじゃれるクロミと茶トラのように、僕たちもゼロ距離で温もりを確かめ合う。
僕が君の、縫合もせずにぽっかりと空いた傷口になってあげれたら痛みは全部引き受けてあげられるのかな。
そのために僕に協力出来ること、少しばかり心当たりがある。
「……僕の大学時代の友人に、曲を作って生活している奴がいる。今でも連絡を取り合っていて年に数回会うくらいには仲も良好だ。相談してみる?」
俯いた頭が勢い良く顔を上げる。
最初は下手したら苦手かもしれない、と思うくらいまん丸のビー玉みたいな瞳は、幼い頃母が唯一僕に与えたビー玉なんかより、遥かに美しかった。
美矢はその勢いのまま、僕の首に腕を回して強く抱き着いてくる。
その勢いを受け止めきれずに雪崩込むように床に倒れても、美矢は僕に抱き着く力を緩めなかった。
「とらがいるから頑張れる。ありがとう」
まるで愛の言葉のようやその甘やかな言葉に、体温は上昇して、真夏のあの日、美矢を拾った日よりもずっとずっと暑い。
答えを返すように美矢の柔らかな身体をもう一度僕も強く抱き締めた。
庭でじゃれるクロミと茶トラのように、僕たちもゼロ距離で温もりを確かめ合う。
僕が君の、縫合もせずにぽっかりと空いた傷口になってあげれたら痛みは全部引き受けてあげられるのかな。


