聞くところによると、桃萌ちゃんは学年で1番頭いいんだって。
中学の時のサックスパートの先輩に聞いた。
うん……やっぱ、天と地の差だなって。


僕は必死に勉強して、この学校に入ったけど。
桃萌ちゃんはツーランク落とした、みたいな話を聞いたことがある。
僕が、桃萌ちゃんの進路の妨げしちゃったから、絶対受からなきゃダメだって。
受かったから良かったものの、僕が受からなかったら桃萌ちゃんは進学し損なわけで。
……ほんとに、よかった。


僕は胸のぽっかりを感じて、桃萌ちゃんを後ろから抱きしめた。


「桃萌ちゃん、好き」
「遥叶……?どしたの」
「僕のために、ありがと」
「なんのこと?まぁ、私も好きだけど」


桃萌ちゃん〜〜……。
僕頑張ります〜〜〜〜っ!!!