「楓葉にも見習ってほしいわ。
あの子、彼氏来るってわかってても掃除しない上に彼氏に掃除させてるし」
「そうなの?しっかりしてそうなのに」


楓葉、というのは桃萌ちゃんの妹で確か今は中2。
絶賛反抗期。


「しっかりはしてるよ?一歩外出たらいい顔してるし。
でも、楓葉は彼氏のこと信用してんのか尻に敷いてる」
「そっか〜」


僕はしれっと桃萌ちゃんの隣に座る。
近くで見るとやっぱりしっかりメイクしてて。
アイラインがよく見える。


「どしたの、そんな私の顔見て」
「へ?いや……メイクしてるなぁって」
「そりゃ、彼氏の家に行くんだから当たり前でしょ」
「……彼氏」
「ん?彼氏。遥叶、私の彼氏でしょ?」


やば、どうしよう。テレる。
え、そうだよね。
僕たち恋人同士だもんね。
そう……だよね。


「遥叶、顔赤いけど」
「思ったより、恥ずかしいなぁって……」
「ふふっ、可愛い」