肩出しのニットにショートパンツという、彼氏の家に来るには絶対間違ってる格好。
……スカートを履いてこないあたり桃萌ちゃんらしいというか。


「お、おはよ、桃萌ちゃん」
「うん。お邪魔しまーす」


扉をあけてあげると、嬉しそうに家にあがる桃萌ちゃん。


「2階上がってすぐ右の部屋だよ」
「はーい」


平常心を無理やり取り繕って、僕の部屋に案内する。
実際はもうすでに理性がキャパオーバー。


「ふーん。思ってたより綺麗」
「昨日めっちゃ掃除したもん」
「その割にはホコリ溜まってるとこあるけど」
「……ごめんなさい」
「ん?いいよ、楓葉(かえで)の部屋の方が汚いし」


桃萌ちゃんは僕の頭を撫でると、ベットの前にぺたんと座った。
……反則だぁぁ。
可愛すぎる、無理だ。
今日の夜はもう絶望かもしれない。