「改めて謝る。沙耶の仕業で華月を傷付けて悪かった」


重たい雰囲気の幹部室で、私に向かって來が頭を下げた。


沙耶の失態を謝るなんて、一応仲間の意識はあったんだ。


「皆んなが助けに来てくれたから、大丈夫だよ」


幹部4人と、美穂がいるこの部屋で、これから何の話を聞かせてくれる?


私を此処に呼び、幹部同士も顔を合わせるくらいには心の整理もついたのだろう。


瞬がそれとなく伝えたのか、美穂もこの状況を受け入れていた。


「それで、あの動画のことだけど。殴っていた方の男に覚えはないか?」


來が疑問に思うのは尤もなことだった。