「紘斗から話は聞いてるよ」


柔らかい物腰に内心少しホッとする。


安全な人、では絶対にないのだけれど。


「俺らで良ければ力を貸すよ。よろしくね」


そう言って真ん中に座っていた人が私に向けて手を差し出す。


私はその手を迷いなく握った。


その手にもまた、赤い殴り跡が残っていた。