復讐の華


「私たちはこんなところで止まってられない、でしょ?」


責任を感じはじめた紘斗に再び前を向かせる。


同じ目的を追う、私の半身。


「ああ、そうだな。動画見たときアイツらどんな顔してた?」


彼の目に力が戻り、私たちは再び歩き出す。


「來は静かに怒ってた。分からないのは晟也よ、彼があんなに取り乱すのは予想外だった」


「女好きなんだろ?乱暴なことをする奴が意外と許せないのかも」


まあ…、私を襲わせた小谷沙耶を糾弾するときもチャラチャラした雰囲気ではなくて、険しい顔をしていたから、そうなのかもしれない。


「小谷沙耶はいなくなった?」


「うん。もうあの女は終わり」