「紘斗、久しぶり」


彼に会うのは約1ヶ月ぶりだった。


私の姿を見て、驚いたように目を見開く。


「髪、切ったんだっけ」


懐かしい道を並んで歩く。ついこの間まではこれが日常だった。


あのときよりも私たちは、笑うことが出来ているかな。


「うん、どう?」


「雰囲気似てて焦った。でも華月にも似合ってるよ」


紘斗のお墨付きなら間違いない。誰よりも長く一緒にいた彼が驚くほど寄せられているなら安心だ。


だけどもう水憐には馴染めたし、彼らに飛鳥の存在を思い出させることが出来たからこの髪でいる必要もない。


今度は篠谷華月として、彼らに信頼されないと。