「岸飛鳥を襲ったのも、お前らだな?」
画面には映っていない、カメラの裏から男の声が聞こえる。
私の手を掴む、來の手がピクっとその名に反応した。
叫ぶばかりで何も答えない、真ん中に座らさられている私を襲ったあのリーダー格の男を、カメラの裏から出てきた男が殴った。
椅子に縛り付けられている奴はその攻撃を受けるしかない。
床に鮮血が垂れた。
「もう許してくれええ!」
口の中も腫れているのか、喋りづらそうに許しを乞う。
「答えろ!誰に頼まれて、岸飛鳥を襲った」
「お…、小谷沙耶だよ…」
そこで動画はブチッと切れた。
一気に倉庫内は静寂になる。いつの間にか小谷沙耶も泣き喚くのをやめて、スクリーンを凝視していた。



