「大丈夫、私の友達だって言えば追い出したりなんかしないよ。ね、いいでしょ?華月ちゃんみたいな可愛い子と仲良くなりたいな」


「美穂ちゃんがそう言うなら、行ってみようかな」


あくまで美穂ちゃんがいるから、という口振りで、この誘いに乗った。


私の応えに満足そうに笑った美穂は、1時間目の授業に向けて前を向いた。


鞄からペンケースを取り出そうとしたとき、自分の指が震えているのに気付いた。


武者震いか、それともこれから始まることへの不安からか。


深呼吸をして自分を落ち着かせる。


この日をどれだけ待ったと思っているんだ。


こんなことくらいで止まってなんていられない。