「仲良いんだね。羨ましいな」
そう褒めると、満更でもなさそうに笑う。
平岩瞬の彼女であることに絶対的なステータスを感じているんだろう。
「そうだ、昼休みに屋上行こうか。幹部に紹介するよ。私、華月ちゃんのこと気に入っちゃった」
願ってもない誘いに、心臓がバクバクと音を立てる。
最高だよ、美穂ちゃん。転校してきたは良いものの、どうやったら不自然じゃなく水憐に近付くことが出来るか、ずっと考えていたから。
これ以上ないシチュエーションで、水憐に接触することが出来る。
「でも大丈夫かな？急に私なんかが行って」
もちろん怯える振りは怠らない。水憐という存在を知らずに来た、ただの転校生を演じるんだ。
