「お前らは先に帰っててくれ」


來はメンバーにそう告げて、私たちは2人きりになる。


もう辺りは薄暗く、細々と月が光っていた。


「華月がいなくなって、苦しかった。気付かされたんだ、華月のことが好きだって」


月明かりに照らされる來の顔は、真剣そのものだった。


光を含んだその目が私を惑わせる。


「私も…來のことが好き。いくらダメだと言い聞かせても、惹かれてしまった。苦しいくらいに好きなの」


偽りのない私の告白に來の瞳が揺れた。


彼の瞳に私が映っている。ああまた、その瞳に呑み込まれる。


思えば最初から、彼の瞳に囚われていた。