「そういえばどうして私が襲われていること、分かったの?」


「華月のクラスメートが俺に助けを呼びに来たんだ。危なそうな男たちに連れて行かれたって」


美波…。何かに勘づいた上で、あの場を切り抜ける為にあっさりと引き下がったんだ。やっぱり彼女は賢かった。


「華月のこと、頼むぞ。不幸にしたら許さないからな」


紘斗が來に言葉をかける。いつだって紘斗は私のことを1番に考えてくれた。今回のことも、私を思って背中を押してくれた。


「ああ任せろ。華月は俺らの大切な仲間だ」


「華月。自分の道を歩けよ」


お兄ちゃんのように逞しい背中を最後に見せて、紘斗はくたばっている男たちの元へ歩いていった。