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「華月、おはよう」


あれから美穂は何も無かったかのように、私に話しかける。


いくら無視をしても懲りずに毎日。


もう一度仲間になりたいと言ったあの言葉は本気なんだ。


美穂から気を逸らすためにふと外を見たことを後悔した。


そこには校門から校舎に向かって歩いている來の姿があった。


心臓が痛いくらいに速く強く鼓動する。


あの日振りに見た彼は、私を動揺させるには十分だった。


力強い眼光は私に対する怒りだろうか。この復讐を果たした暁には彼らと共に底まで堕ちてもいいと覚悟していたけれど、いざその場面が見えると腰が引ける。


彼はまだ総長の風格を維持していた。あれから幹部が揃ったことはないのか、水憐は何も進展がないようだった。