「ねえ、飛鳥のこと好きだった?」
自分の質問には答えずに、突拍子もない問いを投げかける私を不審に見ながら、美波は隣に座った。
「うん…、1人で死なせてしまったことを後悔するくらいには」
「私もね、飛鳥が大事だった。だけど、飛鳥はどうだったんだろうって…、私の前にいた飛鳥は、偽りだったんじゃないかって。そう考えてしまうの」
私の知らない飛鳥が出てきた不安が、私にそう思わせた。
気持ちのすれ違い。片方がどれだけ相手を思っていても、それが一方通行なら何も生み出さない。
これが生きている人間なら、気持ちを確かめ合って、分かり合って。また新しい道を歩けるのに。
もうあの子と話が出来ない私は、記憶に縋るしかなくて。
だけど、記憶の中にいる飛鳥と、此処で知ってしまった飛鳥の裏の顔。



