私が裏切り者で、更に飛鳥が自分たちの所為で死んだと知った彼らをどん底に突き落として終わりだった筈なのに。


全ての計画が狂った。どうせなら酷く憎まれた方が楽だった。


関係の修復の仕様がないほど、私たちを繋ぐ糸がズタズタに切られてしまえば余計な思いを抱かなくて済むのに。


「あ、ハナ…。もう大丈夫なの?」


私の姿を見つけた美穂が控えめに声を掛ける。


「何で、」


「風邪だったんでしょ?良くなったの?」


何でと言ったのはそういう意味じゃない。


前と変わらない余りに普通の態度に私は納得出来なかった。


彼女だって事の一部始終を見ていたのに。


飛鳥のことで私がショックを受けようと、水憐を騙し続けてきたことに変わりはない。