しかも、恋人から。
來にだけは信じて欲しかっただろう。それなのに、手を離されるどころか深い悲しみへ背中を押されて。
一体どうしてあの子にそんな酷いことを言ったのか。
「汚いってどういうことだ?」
覚えていないんだ。いつだって加害者はすぐに忘れて、罪に蓋をする。
「飛鳥が他の男と関係を持ったと思って、怒った來がそう吐き捨てたんでしょう!?」
「待てよ!俺はそんなこと言っていない」
しらを切るつもりか。ここまで来てもなお、その罪から逃れるなんて許さない。
私は紘斗と繋がれていた手をするりと離して、左手に持っていた手帳のページを捲った。
これを彼らに見せる日が来るとは。



