おばさんの目は赤くなっていて、今の今まで泣いていたんだろうと思わせる。
おじさんは険しい顔をしたまま、ぼんやりと白く光が漏れるその扉の向こうを見つめていた。
「一体何が…」
そう私が口にしたとき。
目の前の扉が開いて、中から医者らしき人が姿を現した。おばさんがその人に縋り付く。
紘斗が私の隣に移動してきて、手をそっと握った。
何も状況を掴めていないのに漠然とした不安を感じて、私はその手を握り返したのを覚えている。
「残念ですが…」
医者が神妙な面持ちでそう言葉にしたのと同時に、おばさんが泣き崩れた。
残念ですがって、え…?断定的なことは何も言われていないのに、このシチュエーションとその一言で全て伝わってしまうのだから、酷い言葉だ。



