始まりは、日が落ちかけていた頃に飛鳥から掛かってきた電話だった。
正確には飛鳥の携帯電話から掛かってきた、電話。
それに出ると、聞こえたのは飛鳥の声では無く、彼女の里親だった。何度も家に遊びに行っていた私は、彼女の里親とも顔見知りで。
早口で焦ったように言われるそれから、とにかく非常事態だということは伝わってきた。
聞き取れた病院に向かう為に電車とバスを乗り継ぎ寒空の下を走って、ようやく着いたそこ。
飛鳥の里親と共に、既に紘斗は病院に居た。後ろから走ってきた私に気が付いて振り返ったその顔は酷く不安げだった。
「華月ちゃん、来てくれたのね…」



