「お願い!バイク出して」
物凄い勢いで突然言われた私の頼みに、そのメンバーは何事かと戸惑っていた。
突っ立って話している時間も惜しい。
私は彼の腕を強引に引いてバイク置き場まで急かす。
「勝手にバイクに乗せたら來さんに怒られます」
後ろからそんな弱々しい声が聞こえてくる。
あながちその予感は外れていないだろう。怒られるというか、間違いなく何で来たんだとは言われる。
「大丈夫。着いたらすぐに帰っていいから」
水憐の姫である私のお願いはきっと断れない。
そう思った通り、彼は渋々といった感じでヘルメットを被った。
巻き込んでごめんねと思いながら、こうしている間にも來たちとの距離が離れていっていることに焦りを感じる。



