「本当に晟也と付き合ってる訳?」
腕を組み、キツい目で私を見下ろす。
私よりスタイルが良いのは確かだ。いかにも自分に自信がある彼女が、目の前で新しい女を連れ出されて振られたことがプライドを傷付けたのだろう。
さて、どう答えようか…。
晟也と付き合っているというのは勿論真っ赤な嘘なんだけど。
彼を庇う理由も特にない。だけどここで否定したらそれはそれで面倒なことになりそうだ。
「だったら?晟也はあなたと付き合ってないって言っていたけど」
挑発するような私の返事に、彼女の目がつり上がる。
「一々ムカつく女ね」
余裕が無くなったように舌打ちをした。ここまで彼女を挑発する理由もなかったのだけれど。



