「あ」
「え?」
何かに気付いたような男の声に、反射的に振り返ってしまった。
次の瞬間には腕をグイッと引っ張られてそのまま肩を抱き寄せられる。
「そうだよ、これが新しい女」
ふざけたことを言う彼の顔を見ると、肩を抱く力と共に、合わせろという無言の圧力が凄い。
物凄い形相で私を睨む女に私は苦笑いを返すしか無かった。
「最っ低」
唇を震わせてそう吐き捨てた女は、ギロっともう一度私を睨んでから立ち去って行った。
「丁度良くハナが来てくれて良かったよ〜」
ヘラッと笑ってこちらを見るのは、晟也だった。
未だに掴まれている肩から逃れる。
「なんであんな嘘ついたの」



