復讐の華


歩いている道の先に他校の制服を来た女子高生が、背の高い男子高生を怖い顔で見上げているのが見えた。


修羅場だ。なんでこんな道のど真ん中で。


男の方は私に背を向けていて顔が見えないけど、面倒くさそうにしているのが背中から伝わってくる。


タイミング悪く周りに人はいない。私が横を通ったら絶対に気付かれるよね…。


まさか見ず知らずの人に突っかかってくることはないと思うけど。


私は出来るだけ気配を潜めて2人の横を通り過ぎようとした。


「付き合ってる訳でもないのにダルいこと言うなよ」


うわ、最低だこの男。丁度横を過ぎるとき、ため息と共にそんな男の言葉が聞こえてしまった。