來という毒を目の前にして、私は逃げることが出来るのかーーー?


「…信じさせて」


口に付いて出たその言葉は、本心だった。


信じるも何も、私と彼らの間にある事実はただ1つなのに。


私は飛鳥が大事。彼らはその飛鳥を捨てた。


それしかないのに。それ以外は邪魔で、感情を持つ意味なんてないのに。


私はこの時、飛鳥のことを忘れていたのかもしれない。


そっと握られた私の手から甘い痺れが伝わって、見てはいけない向こう側を覗いてしまったようだった。