「来るかどうか決めるのは華月だ」


美穂が嬉しそうに私の返事を待つ。


私だってこんなチャンス逃す理由はない。


だけどこうもトントン拍子に事が進むと、その裏に何かあるんじゃないかと勘繰ってしまう。


裏も何も、彼らは私のことを知らないのに。


「どうして、私を?」


「不満か?」


ソファーに背をもたれたまま不思議そうに私を見る。


「そうじゃなくて、会ったばかりの女なのに」


一度目を閉じて、何かを考える素振りを見せる。そしてその切れ長の目が私を貫いた。


「何でか分かんないけど…華月が気になるんだ」


低い声でそう言われたとき、体の奥から熱が溢れてくるのを感じた。