「華月、こっち来い」


お弁当を食べていた私を、來が呼ぶ。


私の名前、覚えたんだ。意外。


有無を言わさない声色に來の隣に移動する。


「…今日、水憐の倉庫に来てみるか?」


ポツリ、突然に言われたことに驚く。


「え、いいの!?」


逸早く反応したのは私でも晟也でもなく、美穂だった。


倉庫に来てみるか、だなんて。あんなに私を歓迎していない様子だったのに一体どんな風の吹き回しだ。


自分のテリトリーに見ず知らずの女を入れようとするなんて、何を考えて言っているんだろう。


あまりにも早い展開に、來の方を見ることしか出来ない。