復讐を遂げたとして、それが晴れになることは無いとどこかで分かっていた。


あの子を失った私の世界は、太陽が消えたと同意なのだから。


朝のホームルームが始まっても美穂は登校して来なかった。


担任の先生によると体調不良で欠席だそう。


美穂が欠席するのは私が転校してきてから初めてのことだった。


退屈な授業を終えて昼休み、お弁当を手にした1人のクラスメートが私の前に立った。


それはあの時、小谷沙耶のことを私に話した人。


「お昼ご飯、一緒に食べない?」


笑顔を添えて言われたそれに、私は笑い返すことが出来なかった。


まさか美穂が欠席で、一人ぼっちの私を気遣って声をかけたわけじゃあるまい。