晟也の隣にいた美穂の彼氏の平岩瞬が、美穂の隣に移る。


それにふて腐れた晟也は余計に私に話しかけてくるようになった。


なんなの、人恋しいのか。


仕舞いには強引に私の腕を引いて、自分の隣に座らせた。


「ね、彼氏はいるの?」


馴れ馴れしく肩を抱きながら常套句を尋ねる。


その容姿のおかげで今まで女に振られたことなんてないんだろうな。


「いないよ」


「じゃあ俺と遊ぶ?まじで華月ちゃんタイプだわ」


私も、彼らの周りに寄ってくる軽い女に見られているんだろうか。


だとしたらかなり心外だ。だけど今は、そんな邪魔なプライドの為にこの場を離れるわけにはいかない。