私は夢の中で首元に手をやった。
何にも引っ掛からず、するっと抜けたその手。
砂のように自分の手が崩れていく。
慌てて顔を上げると、飛鳥が消えていた。さっきまでそこに居た飛鳥は、跡形もなく私の前からいなくなった。
薄暗い部屋で、途端に目が覚めた。現実世界だ、此処は。
心もとない光が差し込む午前5時。
あれが夢だと分かり、夢の中でくらいその顔を見てくれてもいいのにと、飛鳥に恨み言を思う。
夢での自分と同じように、無意識に首元に手をやった。
「ない」
スーッと体が冷えていくのを感じた。
その手は何にも触れなかった。首に掛けられている筈のネックレスはそこには無かった。



