ここは3階だから住人以外は通らないだろうし、変なヤツに襲われる危険性もたぶん少ないだろうとは思う。
思うけど、足を広げて寝てんのはナシだろ。
「藤堂しゃん、私、楽しかったです。こんなに楽しい夜は初めてでしたよ」
また独り言を言っている。俺は「はあ……」とため息をついて、気づけば雪村を担いで家の中へと入れていた。
それからどのくらい時間が過ぎただろうか。
電気も付けずに床で膝を立ててビールを飲んでいると、ベッドで寝ていた雪村が動いた。
「……ん、ここどこ?」
寝ぼけているのか、ゆっくりと周りを見渡しながら身体を起こしている。
「どこって、俺の部屋だよ」
「俺って……ひゃ、藤堂さん!」
足を広げて寝ていたとは思えないほど、しおらしい声を出していた。



